牛肉マーケット展望—和牛は需要が弱い、輸入牛肉の高値は継続




 日本フードサービス協会(JF)発表の5月の外食産業市場動向調査によると、全店データで売上高前年同月比が20.4%増、客数12.5%増となった。売上高、客数ともに昨年12月から前年を上回り続けており、客単価については昨年10月から前年を上回り続けている。コロナ前の2019年の売上高との比較では、4.6%減と下回ってはいるが、一時に比べるとかなり回復してきているといえる。ファミリーレストラン業態の中の「焼き肉」は連休の集客が好調だったことから59.6%増となった。19年比でも4.1%増と過去実績を上回っている。
 かなり改善がみられるが、国産牛肉はまだまだ厳しい状況にある。メディアによる物価高に関する報道が増加していることから、生活者も消費抑制に意識が傾いている。この状況に飼料高による影響もあって生産者の子牛導入は消極的だ。販売面では、乳牛、交雑牛は和牛の代替需要が高まっているが、和牛相場は低迷。7月に入ればギフト需要、旧盆商戦需要で回復が見込まれるが、卸売業者へのきき取りではとくに高級業態の売上状況が厳しいことから、そこまで活発化しないとみている。相場上昇は限定的で、8月に入ればほどなく相場は下がる見通し。行政による消費拡大キャンペーン施策への期待も薄い。ただ、この2年減少していた帰省者は増えるとみられており、地方は活気付くか。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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