豚肉マーケット展望—国産豚肉需要強い、豚価は800円台も現実味




 記録的に早い梅雨明けとなった今夏。7月に入り、梅雨が戻ったような天候不順から若干気温は下がっているものの、連日猛暑が続いている。暑さが厳しさを増す中で、肉豚の成育への影響や輸送時の高温による事故、さらに種付不良など、生産者にとっては大きな懸念材料だ。加えて、ウクライナ情勢の影響や急激な円安により、飼料価格は高騰。豚舎での送風機の稼働など、猛暑対策が例年以上に前倒しになったことに加え、燃料価格や資材が高騰し、生産コストは大きく上昇しており、非常に厳しい生産環境となっている。
 こうした状況下、夏場は年間で最も出荷頭数が減少する時期であるだけに、豚枝肉相場はさらに上昇傾向で推移している。東京食肉市場の月間加重平均をみると、6月の上物価格の加重平均は662円を記録した。前年同月と比較すると40円を超える上昇であり、前月からも20円以上の高値となった。7月に入ってからは「上」「中」ともに連日700円を大きく上回る相場展開となっており、税込み800円をつける可能性も現実味を帯びてきている。
 輸入ポークの供給状況については一時期に比べると改善してきているものの、円安が進む中で各社買い付けには慎重な姿勢を取らざるを得ない状況にある。そのため、たとえ出荷頭数が少なく、相場は高止まりしていても、国産物への需要は底堅い。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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