豚肉マーケット展望—年末に向けて上昇、12月出荷は平年並みか




 いよいよことしも残すところあとわずかになった。年末年始は忘年会や帰省など、コロナ禍前と同じような動きが戻ってくることも期待されていたが、依然としてコロナの終息が見通せない中で、外食などの需要が完全に回復しているわけではない。一方、ことしは鳥インフルエンザが例年より早い時期に発生が確認され、それ以降も例年を上回るペースで発生が続いている。クリスマスを前に年間で最も需要が高まる時期であり、すでに価格にも影響が出始め、こうした状況が豚肉需給へ影響を与える可能性もある。
 11月の東京食肉市場の豚枝肉上物平均価格は567円と下落。10月はこの時期としては異例の高値となり、月平均で619円をつけていたために急落している印象だが、例年に比べると高値で推移している。とはいえ、飼料価格をはじめ、エネルギーや物流や資材など、あらゆるコストが上昇している中では、決して生産者が潤うような環境とはなっていない。
 農林水産省発表の肉豚生産出荷予測(11月25日発表)によると、12月は147万7千頭(前年同月比2%減)、平年並みと予測。さらに10〜12月の3カ月間では428万4千頭(前年同期比3%減)、平年と比較しても3%の減少を見込んでいる。今週から来週にかけて年末へ向けた需要はピークを迎えることが予想され、相場も一段高の展開とみられる。ただ、クリスマスを境に息切れし、最終週は軟調となるのが例年のパターンだ。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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