食肉通信社

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工場の効率化

拡大するローストビーフ

 去年まで肉ブームのキーワードとして強く存在感を放っていたのは「熟成肉」だが、いまは「ローストビーフ」ではないだろうか。ローストビーフは現在、食卓にも並ぶ食材として一般化しているが、このように家庭に普及し始めたのはつい最近のこと。ローストビーフブームの変遷と、現在の展開、そしていま人気を確固たるものにした「ローストビーフ丼」専門店の「レッドロック」をみていきたい。

 【人気拡大まで】 ローストビーフの人気が拡大し、一般化し始めたのは、この数年のことだ。近年で最初にブームの火付け役となったのは、ローストビーフを「炊飯器を使って家庭で簡単につくることができる」と、テレビなどのメディアが話題にしてから。
 ただ、そもそもこの“家庭でつくるブーム”そのものも、もともとあったわけではない。2008年のリーマンショックのあと、外食を減らす家庭が増加し、その代わりに家庭での食事にこだわりたいという流れができたことが土壌となっている。
 リーマンショック後、ウェブサイト、アプリの「クックパッド」の人気が高まるなど、家庭でいかに外食のような料理を再現できるか、といったことがブームとなっており、この流れを受けて、ローストビーフも身近な料理となっていった。
 また、2011年に発生したユッケ食中毒事件も大きな契機となった。これにより、ユッケ、たたきといった商品の提供が困難になったことで、量販店もローストビーフの訴求を拡大。そのほかワインブームもきっかけの一つで、ワインの食べ合わせとして、チーズ、生ハムなどとともに、ローストビーフにも注目が集まっている。
 このように、食の洋食化の中で、これまではあまり身近ではなかったワインなどとともに、新しい食べ方の提案として、ローストビーフの人気は少しずつ高まってきた。 現在は「ローストビーフ重」やすしなどの米飯メニュー、おせちなどの和食に使われることも増え、和洋の橋渡し役を担っている。
 【量販店でのローストビーフの展開】 量販店がローストビーフなどのいわゆる「生食系」に属する商品の提供を始めたのは、簡便需要の流れから。現在はユッケ、たたきの提供が難しくなったため、量販店ではローストビーフに大きな売り場スペースが設けられている。
 一般的な品ぞろえとしては、パックに入ったローストビーフの展開だ。これに加えて、畜産売り場に限らず、総菜やサラダ売り場で販売されるローストビーフサラダも品ぞろえされている。
 ローストビーフは、国産のものを使用すると、原料代に加工コストが乗るため、非常に高価な売価となってしまう。そのため、ほとんどの場合、輸入ビーフが用いられる。しかし、その輸入ビーフを用いても、加工コスト分があるため、高値となる。
 このため、ローストビーフはサラダ商材として提案されることが多くなった。サラダとの相性が良いこともあげられるが、サラダを用いることで肉量を減らしながら、ボリューム感を出すことができるためだ。
 先に述べたようにワインとの食べ合わせも訴求されていることから、ワイン、チーズ、生ハムなどとともにイタリアンコーナーが設けられ、そちらで展開されることも多くなった。
 また、牛モモ肉のブロックにシーズニングを添付し「ローストビーフ用」として販売している店舗も多い。この商品づくりが巧みなのは量販大手の平和堂で、同社の畜産売り場では、銀色のトレーを用いて豪州産のブロック肉をボリューム陳列して販売している。
 【レッドロックの台頭】 そういった背景の中、現在のローストビーフ人気を確固たるものにしたのが「ローストビーフ丼」専門店の「レッドロック」。2014年9月に神戸・三宮にオープンし現在、東京、名古屋、京都、大阪に8店舗を出店。いずれの店舗も行列をなす人気店だ。
 豆板醤(ルビ入れ)で味付けされたご飯がみえなくなるほど山盛りに盛り付けられたローストビーフに、生たまご、野菜などが添えられている。ボリューム感のあるみた目のインパクトがお客の心をつかみ、ヨーグルトをベースとした「特製煮込みだれ」とローストビーフの組み合わせが人気の秘けつといえるだろう。
 そのほか、クリエイト・レストランツ・ホールディングスが大手量販店内フードコートで運営する「ローストビーフ星」でも、大盛りのローストビーフ丼が提供され、大人気を博している。現在、23店舗にまで急成長。
 さらに東京では「ローストビーフ大野」が行列をつくる人気店で、3店舗を出店。大阪、名古屋ではローストビーフを火山(ボルケーノ)のように積み上げた「ボルケーノキッチン」も話題となっているなど、今後もローストビーフを主力とする店は増えそうだ。

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