輸入ビーフ相場が、ここにきてさらに高値になってきている。米国産牛肉が中国向け、韓国向けを中心に活発化しており、コロナ禍で米国食肉工場の処理能力が限られる中、日本が買い負ける傾向を強めている。これに伴い豪州産の引き合いも強まり、バラ系を中心に、緊急事態宣言下としては異例の高値となっている。これは中国向けアルゼンチン産牛肉の輸出停止も影響している。アルゼンチンは近年、驚異的なインフレを受けて、物価の上昇に賃金の上昇が追いつかない状況。5月17日には、国内の牛肉市場の相場高騰を抑えるため、牛肉の輸出を30日間停止すると発表した。同国からの中国ほかアジア向け輸出が自国内の価格高騰につながっていると考えられるためだ。アルゼンチン産牛肉の多くは中国向けに輸出されている。これにより米国産牛肉の中国向け輸出がさらに引き合いを増し、高騰につながっている。中長期的にみてもアジア向けの牛肉需要は活発化すると見込まれており、今後も注視する必要があるだろう。牛内臓肉も高騰が著しい。とくにタン、ハラミは玉不足となっており、当面はこの状況が続きそう。量販店でも輸入牛肉の高値を受けて品ぞろえが不十分になり、内臓肉のフェースを拡張している。このような中で品薄となっていることから、緊急事態宣言が明けたあとの外食需要を踏まえると、さらに供給はひっ迫するだろう。
◆行政・統計
5月牛肉輸出は508tで前年比9.2%減、最大輸出先は香港
財務省貿易統計によると、5月の国産牛肉輸出量は50万8,278kg(前年同月比9.2%減)と、前年同月を下回った。前月比でも2.9%減少。 輸出先国は合計31カ国・地域で、国別にみると香港が最も多く、11万1,640kg。次いで台湾、米国...
◆トレンド
全農肉牛枝共励会、キロあたり7,511円で小川畜産興業が落札
JA全農は1日、東京食肉市場で第24回全農肉牛枝肉共励会を開催した。全国16都県から黒毛和種289頭(去勢209頭、雌80頭)、交雑種32頭(去勢24頭、雌8頭)の計321頭が上場された。厳正なる審査の結果、名誉賞には宮城県の佐藤昭彦さん...
◆国内外の団体
全農肉牛枝共励会、キロあたり7,511円で小川畜産興業が落札
JA全農は1日、東京食肉市場で第24回全農肉牛枝肉共励会を開催した。全国16都県から黒毛和種289頭(去勢209頭、雌80頭)、交雑種32頭(去勢24頭、雌8頭)の計321頭が上場された。厳正なる審査の結果、名誉賞には宮城県の佐藤昭彦さん...
◆製品
伊藤ハムと米久がハム・ソーセージ・調理加工食品を3~30%値上げ
伊藤ハムと米久は、10月1日からハム・ソーセージおよび調理加工食品の納品価格改定をそれぞれ実施する。世界的な食料需給ひっ迫や不安定な国際情勢を背景に、インフレーションや円安が一段と進行し、ハム・ソーセージおよび調理加工食品の主原料である畜...