量販店の食肉販売、前年MDを踏襲しつつ年末までは頻度品中心




 昨年の反動もあるが、緊急事態宣言が解除されてから量販店の売れ行きはさらに鈍っている。気温が一気に低下したため、鍋物需要は高まっているものの、動きが好転しているのは豚肉のバラ、カタロース、ロース、鶏肉のモモ、ミンチといった頻度品。単価の張る和牛は年末まで鈍化したままだろう。
 近年、12月は中旬あたりまでほかの月と変わらない売れ行きで推移することが多く、ことしも同様の傾向となる公算が大きい。ブラックフライデーセールで早くも仕掛ける企業もあるが、賞与支給日後の週末に特売を実施し、年末商戦への流れをつくるケースが多い。
 外食に若干シェアを奪われているとはいえ、内食需要はコロナ以前と比べれば強い。そのため、量販店の政策に大きな変化はみられず、牛肉に関していえば、中旬までは年間強化カテゴリーの焼き肉中心、クリスマスに輸入ビーフを活用したステーキを訴求し、年末に和牛か交雑牛のスライス系を拡販するというパターン。
 輸入ビーフが高値圏にあるため、クリスマスに関しては若干商品の見直しを図る企業が出てくるかもしれないが、中旬までの流れと年末商戦は、昨年からさほど変化しない見通しだ。また、近年は〝解凍品アレルギー〟が消費者にあまりないため、年末に和牛の冷凍保管事業を活用する企業も昨年同様、散見されるだろう。
 豚肉に関しては前述のように鍋物需要でどこまで伸ばせるか。葉物野菜の価格も一時期に比べると落ち着いており、消費は安定する見込み。ただ、クリスマスと年末商戦では牛・鶏肉のシェアが上がるため、普段使いの食シーンでいかに販売量を伸ばすかがカギになる。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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