牛肉マーケット展望—和牛の販売が悪化、買い気弱く和子牛急落

 国内の肉牛生産状況で現在、危機的な問題となっているのが配合飼料価格の高騰だ。生産者にとって非常に厳しい状況が続いている。過去の南米での干ばつなどの影響や、原油高を受けてエタノール需要が好調に推移していること、さらに世界有数のとうもろこしの輸出国であるウクライナの戦争による供給不安が大きく影響している。
 一方、それを受けて子牛価格は急落している。ゴールデンウイークも終わり牛枝肉相場は下落。生産関連コストが上昇する中で、買い気が弱まっている。生産基盤のさらなる拡大のためにも、行政による力強いバックアップ体制が必要だろう。
 こうした中、国産牛肉の販売状況は悪化している。もともと梅雨に差し掛かる時期で引き合いが弱く、量販店向けの販売がスソ物中心にとどまっていることに加えて、コロナの影響から外食産業がいまだ回復していないためだ。人通りの増加や新幹線の利用状況などをみても経済活動は回復基調にあるが、とくに和牛など高級な食材を用いた食肉消費は回復しておらず、和牛相場は低迷している。和牛の流通を支援する和牛肉保管在庫支援緊急対策事業も、予算枯渇により今年度はほぼ有効に活用できない見通しとなっている。6月の和牛販売は厳しい状況となりそうだ。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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