鶏肉マーケット展望—日本買い負け必至、韓国が輸入関税を撤廃




 韓国政府は7月20日から2022年末まで、鶏肉の輸入関税を0%とする。通信社「聯合ニュース」や韓国紙「韓国経済新聞」などによると、割当量は8万2500tで年間輸入量の半分程度に相当する。韓国が輸入する鶏肉の主な産地はブラジルとタイで、本来の輸入関税は20〜30%ほどに設定されているという。また、22年末までの輸入関税0%が適用されるのは鶏肉のほか、牛肉、粉ミルク、コーヒー豆、酒精原料、長ねぎなどとなっている。7月8日に尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が主催した第1回非常経済民生会議で発表された。ことし6月の消費者物価上昇率が前年同月比で6・0%と高水準になったことから、上述した農畜産物の関税引き下げを対応策とした。
 日本の商社などによると、以前から韓国系企業はブラジル現地で「アンサイズなど規格外の物でも、日本以上の高値で買っていた」「良い物を安く売れというのは日本企業くらい」との声がきかれていた。コスト高にウクライナ侵攻が追い打ちをかけた世界的な鶏肉不足により、あらゆる国でブラジル産鶏肉を奪い合っている状況だ。関税20%がゼロになるのだから、現地オファーが1割上昇しても、韓国内ではいま現在の1割引で販売できる勘定だ。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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