旧盆商戦と下半期の輸入内臓相場見通し、旧盆後の下げ限定的か




 長く続いた梅雨明けからの天候不順は落ち着いた形で、本格的な真夏もようになってきたが、新型コロナウイルス感染症第7波の感染拡大状況は続いており、直近1週間で100万人超えと過去最大の規模で爆発的な広がりをみせている。
 この事態に対して政府は夏季休暇に向けて行動制限を実施する予定はないと明言しているが、今後、病床のひっ迫など状況が深刻化してくれば、再度の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などの移動制限の再開も予想され、夏の一大需要期を直前に控えて相場は高値で推移しているものの、末端需要の先行きには強い不透明感が生じているのが現状だ。
 ことし上半期の相場状況は昨年から続く高値圏で推移。端境期には高騰が続いていたタンやハラミなどの主要焼き材にやや一服感が出てきていたものの外食需要の緩やかな回復基調や、1ドル140円に迫る未曾有の円安の影響、と畜場の人員不足などの複合的要因から、再び高値を更新する勢いが続く。
 現在のところ個別では、チルドタンは豪州産・米国産とも2,800〜3千円前後と強含みで推移。ムキタンについても、小幅上伸で4,800〜5,100円前後の展開。焼き肉店においては、高騰が続く牛タンやハラミの価格を再度値上げするか、ポーションを小さくして値段を現状維持や小幅な上げにとどめるかなど対応を迫られているところも多い。アウトサイドスカートはチョイスで2,700〜2,900円、プライムで2,800〜3,100円前後。ハンギングテンダーは1,800〜1,900円前後と強もちあい。レバーや白物関連のアイテムについてもジリ高基調で、レバーは300〜310円前後。
 下半期の動向については、現時点での輸入食肉・内臓の相場状況を考えると、需要の有無にかかわらず、円安とコンテナ船の不安定な入船状況や、作業員不足が続くと畜場の供給体制が十分でないといった供給不安が相場の強い下支えとなっていることから、全体的には旧盆商戦後の需給の緩みは限定的となるのではないだろうか。ウクライナ紛争などの海外情勢や、国内の感染状況、再度の行動制限策が施行されるのかなど外的要因に大きく左右されるが、内臓相場は8月下旬に一旦弱含むだろうが、徐々に下値を切り上げる展開で、当面は高値基調が続きそう。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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