牛肉マーケット展望—急落する和牛相場、輸入物の荷動きも低調




 食肉卸売業者にこの8月の旧盆商戦に関するきき取りを行うと「前年よりは良かったものの、コロナ前には戻っていない」という意見が多くきかれた。
 ことしは「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」などの抑制はなかったが、感染者数が過去最大となったことから外食需要は引き続き低迷し、量販店や専門店も伸び悩んだ。これを受けて和牛相場は急落しており、A4等級とA5等級の価格に大きな差がみられなくなった。景気も悪い上、肥育技術の向上で5等級発生率が高まり希少性が失われる中、低価格需要で3〜4等級のニーズが高まっているためだ。拡大していたコロナ「第7波」もようやくピークアウトをみせ始めており、このまま終息して、次の「第8波」が訪れる前に年末商戦を迎えることができれば、食肉産業にとって幸いだ。現状は国産相場も安く、輸入ビーフ相場も落ち着いてきている。このまま「県民割」などの消費拡大施策による底支えを受けつつ、消費が少しずつ回復していくことで、この相場メリットを生かした商売が期待できる。
 パーツも、直近の天候の悪化もあって動きが悪く、売れ行きの良い部位はない。ロース系の高単価部位は重く、焼き肉需要も一服しているためバラも止まっている。ただ、年末にかけていずれ高値になることを考えれば、いま冷凍ストックをつくりながら仕入れを続けるのも戦略の一つだろう。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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