11月から年末向けの輸入副生物現物相場、例年より早くジリ高なるか




 旧盆商戦後から需要が緩んだ状況が続いており、高騰が続いてきたタンなどの商材も小幅ではあるが下落基調が続いてきた。一方で円安傾向は一段と加速し、一時的にではあるが、円は32年ぶりとなる1ドル150円台に突入。日銀の本格的な為替介入もささやかれている。現地の生産状況は回復基調であるとはいえ、為替レートの影響は甚大であり、仕入れ価格の高騰は続く。また、原材料・資材・燃料などあらゆるものが高騰していることや、ハラミやハンギングテンダーなどの商材については、円安状況下では、他国と比較して買い負ける部分もあり、需要が低調な中で原料高という卸筋には非常に厳しい状況が続いている。また、食肉や主力アイテムについては生産能力が戻っていても、メンブレンなどの部位については加工場の手が足りず、慢性的に出荷が滞っている状況だ。これは、鶏肉におけるコニクやセセリ、ヤゲン軟骨などと同様であり、こうした状況は当面続くと思われる。
 また、消費に目を向けると、大阪では10月中旬から「プレミアム食事券」の申し込みが開始。月末から東京でも同様の施策がスタートしたこともあり、外食産業の需要上向きには大きな期待がもたれている。また、昨年は大々的な忘年会は憚られる雰囲気が依然として強かったが、ことしは少人数の宴会などは多く開催されると想定されている。そのため、例年であれば、年末商戦に向けての在庫確保などによる引き合い増で相場が上向いてくるのは晩秋のあたりからだが、ことしは為替状況の影響により、「在庫を抱えるリスクよりも先延ばしするほど為替の影響を強く受けるのでは」というリスク管理の姿勢から、早めの調達に踏み切る事業者もあるようで、例年よりもやや早い時期から相場は下値を徐々に切り上げていく展開となりそうだ。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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