牛肉マーケット展望—調達スローペース、インバウンド回復期待




 今春最初の繁忙期である5月の大型連休が目前に迫った。3〜7日の5連休が見込まれるほか、有給休暇の活用などで最大9連休が見込まれ、曜日の並びとしては悪くないものとなっている。
 前週の東京市場の相場は目にみえて高値とはなっていないが、基調として強まりそうな雰囲気。現状はまだ連休の注文が活発には入っていないため、もよう眺めとなっている。昨年までのコロナまん延期では、先が見通せないため、末端からの発注は連休前ギリギリだった。ことしはそこまでではないだろうが、傾向としては同様で、スローペースの調達になると見込まれる。そのため相場の上昇は4月の中旬もしくは下旬からか。外食産業の回復を受けて、外食で好まれる雌牛を中心に高値が見込まれる。
 部位別では、焼き材の動きは良いとみられるが、サーロイン、リブロースといった高級部位は、諸物価の高騰を受けて引き合いは強まらず、厳しいものとなりそうだ。有名ブランド和牛は好調に推移するだろう。
 輸入ビーフは、大型連休を前に豪州も米国も高値を維持。ホテル・レストラン系の荷動きが良くなってきたため、ステーキ需要としてロイン、ランプの引き合いが強く、調達がむずかしくなっている。ステーキアイテムは米国産の需要が強いが、米国産が足りないため豪州産にも引き合いが流れている。
 米国の引き合いは現地需要の強さと現地の生体の少なさ、中国、韓国の買いが強まっていることが要因。日本でも大型連休用に物量を確保しておきたいとの考えから、高値ではあるが、連休明けまで強い需要に支えられそうだ。
 海外からの荷は、この先もワーカー不足による入船遅れが見込まれるため、価格は下がらないだろう。カナダなどへの代替も進むとみられる。
 インバウンド需要に関してだが、日本政府観光局によると、ことし2月の訪日外国人客は推定147万5,300人だった。新型コロナウイルス流行前の2019年同月比は43.4%減といまだ回復途上だが、1月の44.3%減からは増加し、22年同月比では8724・1%増と87倍になった。今後のさらなる回復に期待したい。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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