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牛HB2021

日本食肉年鑑

[牛肉マーケット]昨年同時期の在庫量と比べ5〜10倍に

 新型コロナウイルス感染症に伴い、インバウンド需要が減少、また外出自粛による外食店利用の減少などを受けて、牛枝肉相場が暴落した。これを受けて、和牛肉の余剰在庫の保管・販売経費の助成として「和牛肉保管在庫支援緊急対策事業」を農畜産業振興機構が実施している。とくにロイン系アイテムを中心に在庫過多となっている現状を受けて、卸はロイン系の評価を下げて販売し、かなり値下がりしている。卸売業者によると「投げ売りどころか捨て売りに近い」と悲観的な表現で話し、昨年同時期の在庫量に比べると5〜10倍になっているという。
 そして小売はその安くなったロインを期間限定セール価格などで販売することで、全体としてみれば在庫低減に向けた動きが活発に行われている。近年の和牛相場の上昇を受けて交雑牛に切り替えたという食肉専門店や量販店も和牛回帰傾向にある。だが、それでも市中は大量の余剰在庫であふれている。これらの多くは凍結に回されており「外食店を中心とした凍結をいとわない販売先へ徐々に使用していくか、中元・歳暮ギフトで使用するか」だという。いずれにせよこれらの余剰在庫が片付いていかない限り、牛枝肉を積極的に仕入れようとする動きはみられないだろう。一般的にロイン系在庫は年末商戦や歳暮ギフトに向けてためていく。しかし現状すでに在庫が一定量あるため、相対的に今後の仕入れは減らすことになる。つまりインバウンド需要の回復いかんに関わらず、年内の牛枝肉相場は昨年のような高値には戻らない。逆にいえば、年内で在庫がある程度一掃されれば、年明けはやや引き合いが強まりそうだ。消費環境をみると、インバウンド需要の減少のほか、自粛傾向が長期化し、外食店需要は引き続き厳しいとみられる。一方で内食化が進み、外食の代わりに家庭でぜいたくをという動きが強まっており、この傾向は7月も顕著にみられるだろう。このような中、生産環境をみると、6月22日公表の主要子牛市場の販売実績(全農調べ、速報)は、前月を上回った。まだまだ不透明な状況の中で上振れした子牛相場を不安視する生産者も多いが、経営安定化に向けて繁殖仕向け用雌牛の買い入れが強まり、雌牛不足となっていることなどから頭数も多くなく、牛枝肉相場の回復基調や牛マルキン支給もあって強気配となっている。

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