牛肉マーケット、コロナ再拡大を受けてGWのニーズは小売に集中か




 緊急事態宣言が解除されたものの、大阪府が東京都の感染者数を上回るなど、事態は収束するどころか悪化傾向にある。このような中でいよいよ大型連休に入るが、食肉需要はどのように推移するか気がかりな状況だ。今回、牛肉マーケットの見通しとして、牛肉卸売業者、小売店関係者などへのききとりを行い、まとめた。
 卸売業者へのきき取りでは、緊急事態宣言が解除されるなど3月半ば時点の機運は非常に高く、4月に入れば大型連休に向けた仕入れを活発化するといった声が強かった。しかしながら再びコロナが拡大したことで、前週ごろから仕入れを抑制する傾向がみられる。相場自体は関東、関西いずれも基調は強い。和牛肉保管在庫支援緊急対策事業などが依然として高い効果を示しているほか、牛肉輸出の活発化も要因の一つ。
 2021年2月は、前年同月の32.0%増と大幅に伸びた。全体的に伸びているが、香港、台湾、シンガポールなど、コロナが収束しているアジア圏などがとくに輸出拡大傾向にある。アジア向けはロイン系に限らず輸出できるため、余剰部位の発生を抑えられるというメリットもあるが、仮にバラなどが余ったとしてもロインが一定の高値で輸出できれば余剰は問題ないとみており、積極輸出の姿勢は変わらない。和牛ビジネスの拡大をかぎ取ったさまざまな業者の新規参入も増加しており、国内情勢が厳しい中でも、輸出が和牛需給の下支えとなっている。ただ国内飲食店向け販売においては大型連休中も厳しくなるだろう。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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