農水省が新食料システム戦略、生産力向上と持続性をイノベーションで




 農水省は12日、新たに「みどりの食料システム戦略—食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現」を策定した。同戦略では、2050年までに目ざす姿として「農林水産業のCO2ゼロエミッション化の実現」「30年までに持続可能性に配慮した輸入原材料調達の実現」など、七つの目標を掲げた。これらの目標の実現に向け、調達から生産、加工・流通、消費における関係者の意欲的な取り組みを引き出すとともに、革新的な技術・生産体型の開発と社会実装を行っていく。
 日本の食料・農林水産業は、気候変動やこれに伴う大規模自然災害、生産者の高齢化や減少などの生産基盤のぜい弱化、新型コロナを契機とした生産、消費の変化への対応等非常に厳しい課題に直面している。一方、さまざまな産業で、SDGsや環境への対応が重視されるようになり、わが国の食料・農林水産業でも的確に対応していく必要があること、また、国際的な議論の中で、アジアモンスーン地域の立場から、新しい食料システムを提案していく必要があることから、農林水産業や地域の将来も見据えた持続可能な食料システムの構築が急務の課題。こうした情勢を踏まえ、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現するために策定したもの。
 畜産関係では、環境負荷の低減として「ICT機器の活用や放牧等を通じた省力的かつ効率的な飼養管理技術の普及」「子実用とうもろこし等の生産拡大や耐暑性・耐湿性等の高い飼料作物品種の開発による自給飼料の生産拡大」「ICT機器を活用した個体管理による事故率の低減や家畜疾病の予防」「多機能で省力型の革新的ワクチンの開発」「迅速かつ的確な診断手法の開発など抗菌剤に頼らない畜産生産技術の推進」「科学的知見を踏まえたアニマルウェルフェアの向上を図るための技術的な対応の開発・普及」に取り組む。温室効果ガスの排出削減に向けては「牛のげっぷや家畜排せつ物由来の温室効果ガスを抑制する飼料の開発」「養豚汚水浄化処理由来N2Oを削減する炭素繊維リアクターの開発」などを推進する。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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