国際食肉科学技術会議を神戸で開催、世界各地の研究者が集う




 第68回国際食肉科学技術会議(International Congress of Meat Science and Technology、以下ICoMST、主催=日本食肉科学会)が21日から25日の4日間、神戸市中央区の神戸国際会議場で開催されている。のべ400人の来場を見込む。
 ICoMSTは1955年に設立されたヨーロッパ食肉研究者会議に端を発し、現在では世界40カ国の研究者・技術者が一堂に会し、食肉に関する知識の共有を図る会議として年1回、世界各地で開催されている。日本開催は、1999年に横浜市で開催された第45回以来、23年ぶり2度目となる。今回は「食肉の未来を考える」をメインテーマに、世界の食肉研究の動向把握や先進科学技術の利活用などについて情報・意見交換を行っていく。開催にあたり、コロナを考慮して抗原検査といった健康管理を実施。また講演は、現地参加を制限し、オンライン会議サービス「ZOOM」を併用している。
 セッション内容は「世界の食肉市場(市場動向、マーケティング)」「日本の食肉産業・科学技術(世界に誇る和牛、ブランド肉、最新研究動向)」「食肉微生物・安全性(微生物制御、添加物、包装)」「筋肉生物学・生化学(最新筋肉研究、筋肉から食肉への変換等」「食肉製品・利用(ハム・ソーセージ、副産物利用、ジビエ)」「食肉の生産・品質(生産、格付、品質、し好性)」「食肉科学技術の新展開(機能性食品、代替肉、新技術)」となっており、日本の食肉産業や和牛について、また食肉の栄養に関してや培養肉、ジビエ、発酵肉、食肉の衛生などがテーマとなっている。そのほか、バーチャルでのコングレスツアー、企業展示プレゼンテーションも行われる。
 日本食肉科学会理事長でICoMST組織委員会の坂田亮一委員長は本紙の取材に対し「日本初開催だった横浜開催のときはわれわれも若手として参加したが、そのときも日本の研究の革新性や和牛産業を取り上げて、世界中の研究者が注目した。それ以来、日本の研究も進み、とくに『食肉と健康』というジャンルでは日本はリードし始めている。今回の神戸開催は言語の壁も乗り越え始めて、多くの若手研究者や学生も参加しており、日本の研究者も力を示せた。またこの力を次の世代にも継続していく。今後の食肉研究にも期待してほしい」と述べた。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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