全共鹿児島県大会が開幕、全国41道府県から過去最多439頭が出品




 「和牛新時代 地域かがやく和牛力」をテーマに、第12回全国和牛能力共進会が6日、鹿児島県の霧島市牧園町で開幕した。
 「和牛のオリンピック」とも称される畜産業界最大のイベントである同大会は今回で12回目。コロナ禍が長期化する中、大会の開催が危ぶまれる時期もあったが、大会史上最多となる全国41道府県から439頭(種牛の部273頭、肉牛166頭)が出品され、無事に開催の運びとなった。10日までの5日間、新設された特別区「高校および農業大学校の部」を含む全9区それぞれの部門で、和牛日本一の座をかけて各県の日ごろの改良の成果を競う。
 開会式は霧島高原国民休養地広場の特設会場で開催。九州有数の観光地である同地に全国から多数の関係者が訪れた。開会宣言、国歌斉唱のあと、全国和牛登録協会の向井文雄会長理事が「今大会は新型コロナウイルス感染症により開催が危ぶまれていたが、皆さまの熱意によって過去最大の規模で開催となった。これも感染対策などに尽力いただいた関係者のおかげであり、深く感謝申し上げる。昭和41年に第1回の全共が開催されたときの大会テーマは『和牛は肉用牛たりうるか』であった。そこから半世紀が経過し、和牛の目ざすべき方向は大きく変化した。今日、和牛は世界に誇れる知的財産として認められ、わが国の基幹輸出品目として成長するまでに至ったことは、和牛を愛し、改良事業に携わるものとして誠に同慶の至りである。現在、地球規模の食糧問題、環境問題など、和牛を取り巻く状況は大きく変化しており、和牛も脂肪の質など、多様なし好性が求められている。変化に対応するためには若い担い手の育成が不可欠であり『和牛新時代』のテーマどおり、出品区と出品条件に反映されている。出品者にとっては5年に1度のひのき舞台であり、和牛をきずなに交流が深まることを期待している」とあいさつ。
 来賓・関係者の祝辞のあと、㈱森ファームの森義之氏が「関係者の尽力で、この和牛の祭典が開催されることに感謝申し上げる。先人の血のにじむような努力のもと、培ってきた和牛力で新時代を切り開き、鹿児島の地から和牛の魅力・可能性を全世界に発信する。和牛こそわが人生。和牛に人生をかけた全出品者の愛する牛たちとともに、大会期間中輝きを放ち続けることを誓う」と出品者代表として宣誓。そのあと、祝電披露や、未来の担い手メッセージとして鹿児島県立鹿屋農業高校畜産課1年の森元陽哉さんが全共に対する思いを述べたほか、霧島神宮の伝統芸能である雅楽が披露され閉会。6日は特別区(高校および農業大学校の部)の審査が行われた。また、大会期間中、種牛の部の会場である霧島市牧園町では和牛の魅力と鹿児島県の物産品をpRするためのさまざまな企画を実施。期間中の来場者は約50万人を見込んでいる。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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