東京食肉市場牛枝肉全共、松永牧場2連覇、丸富商店が落札




 東京食肉市場で年に1度の一大イベントである令和5年度全国肉用牛枝肉共励会が24〜27日に開催された。農林水産祭参加事業であり、全国から選りすぐられた500頭の牛が出場。厳正なる審査の結果、名誉賞には島根県.(株)松永牧場が出品した黒毛和牛去勢牛(父「福之鶴」、父「美国桜」)が輝き、(株)丸富商店がキロあたり1万3,586円で購買した。松永牧場は昨年も名誉賞を獲得しており、名誉賞獲得は4回目となる。
 ことしの出品牛は第1部乳用去勢牛および交雑種去勢牛68頭(すべて交雑牛)、第2部和牛去勢牛271頭、第3部和牛雌牛161頭。せり後に行われた褒賞授与式で、小川一夫共励会会長は「新型コロナが5類となり、日常が戻りつつある。共励会も今回中止していた褒賞授与式を実施できた。食肉の環境をみると、円安によりさまざまな物資が上がり、高級品である国産牛肉の消費を悪化させている。一方でインバウンド需要は回復し、焼き肉などが好調だが、しゃぶしゃぶなど目の前で調理を行う高級店では人員不足で予約が受けられないなど外食業態でも温度差があるようだ。このような状況にある中、生産意欲向上に資するため、全国を代表する優秀な肉牛が会し全共が開かれたことは有意義なことだ」とあいさつ。来賓あいさつに続き、一般(社)全国肉用牛振興基金協会の小倉弘明専務理事が審査講評を行った。
 名誉賞牛は格付A5、BMS№12、枝肉重量631kg、ロースしん面積113平方cm、バラの厚さ10.6cm。「肉付均称の素晴らしい体型で、モモ抜けが良好で、ロース芯しんが充実し、肉色光沢や歩留まりも良い、名誉賞にふさわしい枝肉」との評価を受けた。松永牧場の松永拓磨取締役は「まだ夢の中にいるよう。この牛は自家産の牛であり、自家産での入賞は初めて。繁殖、育成、肥育全員のがかかわってとれた賞だと考えている。また、ことし当社は50周年を迎えた。連覇で4回目の名誉賞というすごく記念の年となった。今後は3部門すべてで入賞を目ざしたい」と喜びを語った。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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