脂肪の質を重視した「新審査方式和牛枝肉共励会」が兵庫で開催




 脂肪の質を重視して審査—–。兵庫県加古川食肉地方卸売市場で22日、ことし10月に開催された全国和牛能力共進会の審査方式を取り入れ、従来の審査に比べて脂肪の質をより加味した審査で競う「令和4年度新審査方式和牛枝肉共励会」が開催された。全共の「肉牛の部」では、現在の肉量と肉質による審査を尊重しつつ、今後の和牛肉に求められる改良の方向性を示す新たな価値観となり得る脂肪の質などの評価を取り入れ審査された。
 今回の共励会の主催者である全国肉牛事業協同組合の中林正悦理事長(写真)は「全共の審査基準が変わったことから、今後5年先に向かってどういう審査になるのかを踏まえて勉強会がしたいという話があり、それは良い考えだということで加古川市場の協力を得て開催した。生産者は、BMS№12を狙うだけではなく、食べて下さる人にとってどういう肉がいいのかという、そういう考え方の切り替えが求められる。今後もこうした共励会を継続して実施したい」と強調した。今回は大きく、肉量=歩留まり基準値、肉質=脂肪交雑、脂肪の質=MUFA(一価不飽和脂肪酸)予測値を序列化して評価された。審査に加わった公益㈳日本食肉格付協会業務部の小林淳二部長は「格付方法が変わったわけではなく、脂肪の質などの食味に関係する理学的数値を活用し評価した。今後の和牛づくりの方向性を考える大変有意義な共励会。今回の入賞牛が高値落札され、高く評価されたことは取り組んだ価値があったと思う。雌は去勢よりもMUFAが3%程度高いため、そこは再検討の余地がある」とした。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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