全国農業協同組合連合会岐阜県本部は21日、「2025飛騨牛フェスタin飛騨」を岐阜県高山市の飛騨ミート地方卸売市場で黒毛和種170頭を上場して開催された。競りに先立ち枝肉審査が行われ、最優秀賞1点、優秀賞2点、優良賞5点を選出した。その結果、㈲辻畜産(写真右)の出品牛(A5、去勢、枝肉重量502.1kg、BMS No.12)が最優秀賞を受賞。競りではキロ当たり7,754円(税込み、以下同)の最高値で(株)丸明(写真左)が購買した。飛騨牛フェスタは飛騨牛登録農家の飼養管理技術の向上を図り、高品質な飛騨牛を供給する事で夏季の消費拡大に貢献。さらに出品枝肉の脂質を調査し、食味性向上を目的に開催している。
授賞式の冒頭、主催者を代表して全農岐阜県本部の西村寿文県本部長があいさつ。続いて、枝肉審査委員長を務めた公益社団法人日本食肉格付協会東海北陸支部の福留一広指導職は「今回の出品頭数は、去勢111頭、雌59頭の合計170頭。去勢の平均枝肉重量は506.1kg(前回開催513.8kg)と良好であったが、400kgから614.5kgとややバラツキがみられた。雌の平均枝肉重量は438.2kg(前回開催450.0kg)で約12kg小さくなった。子牛を順調に発育させ無駄な皮下脂肪を乗せず、枝肉重量をしっかり増加させることが経営向上につながる。雌牛に関しては、発情もあり去勢に比べ難しさはあると思うが、肥育前期で良好な粗飼料をしっかり食い込ませ、仕上げ時期まで飼料を食い込ませる腹作りが必要となる。枝肉重量をしっかり増加させることが経営向上につながる。今後もさらに飛騨牛らしい小ザシでモモ抜けの良い、脂肪質のしっとりとした枝肉を目標に改良されることを期待する」
「最優秀賞の辻畜産の出品牛は(A5、去勢、枝肉重量502.1kg、BMS No.12、ロース芯面積80平方cm、バラ厚11.2㎝、皮下脂肪1.9㎝、歩留基準値79.5、BCS No.3)で、ロースが大きく上ロースに厚みがあり筋肉構成が素晴らしく、無駄な皮下脂肪がなくすっきり感がある理想的な体形であった。サシの形状は小ザシで切開面の筋肉バランスも良く、BMS No.12をはるかに上回るロース芯をはじめ、カブリの脂肪交雑も小ザシで抜群、モモ抜けやサーロインの脂肪交雑も突出していた。脂肪質にも粘りがあり、肉の生地が細かく、光沢が大変優れた枝肉であり、まさに飛騨牛の特質が優れた理想的な枝肉であった」と審査報告を述べた。
競りでは上質牛がそろったことが価格に反映され、全頭が高値で購買された。上位入賞牛出品者は次の通り(全頭A5、BMS No.12)(続きは食肉速報に掲載)
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