松阪肉牛共進会、朝日屋が過去最高の5,200万超で落札

 第74回松阪肉牛共進会が23日、三重県松阪市の松阪農業公園ベルファームで開催された。同共進会はベルファームで同日開催されている「松阪牛まつり」のメインイベントとして開催され、審査から表彰式、さらには競りの様子まで一般観覧が可能となっている。10月25日に予選会を開催し、これを勝ち抜いた50頭の特産松阪牛(兵庫県産の子牛を導入し、松阪牛肥育地域で900日以上肥育したもの)がこの本選会に出場。予選会を突破した優れた生体が一堂に会し、さらなる厳しい審査に臨んだ。
 その中で、松阪牛の頂点となる優秀賞1席に輝いたのは、中尾教昭さん出品の「かずみ号」(父「忠味土井」、母の父「芳山土井」、母の祖父「丸宮土井」、体重691kg、肥育日数1,162日)。中尾さんは昨年の共進会に続いて2連覇を達成。同共進会で連覇が記録されたのは平成11年の久保巳吉さん以来、26年ぶりの快挙となった。競りの最後に出品された同牛は、三重県津市の(株)朝日屋(香田佳永社長)が5,259万円の最高値で落札した。5千万円の大台突破は平成14年(5千万円で朝日屋が落札)以来で、自社が持つ過去最高値記録を更新した。また、朝日屋の1席牛落札は32回連続で通算42回目となった。
 出品牛の審査に当たった三重県畜産研究所大家畜研究課主査研究員の梅木俊樹審査長は「いずれの出品牛も2年半以上、長いものでは4年にわたり、情熱と高度な肥育技術を注いだ成果が形となった素晴らしい仕上がりで、極めて僅差の審査結果となった」と全ての出品者をねぎらい、「その中で優秀賞1席『かずみ号』は背腰の幅、張り、胸の深みがきわめて豊かで、その圧倒的な体積感は群を抜いていた。各部位の肉付きのバランスが良く、全身の輪郭が極めて滑らかで、特産松阪牛らしい品位にも優れていた」とした。
 競りは全ての出品牛で150万円を開始価格とし、大きく競り上がって落札された。1席牛の競りは2千万円から開始し、10分以上にわたって長い競り合いが続き、朝日屋が5259万円の最高値で落札。朝日屋の1席牛落札は32回連続で、通算42回目となった。
 朝日屋の香田社長は「1席牛だけでなく、非常に仕上がりの良い牛がたくさんそろっていた。今年も夏場の猛暑が厳しく、生産者も苦労されたことと思われる。厳しい環境の中で育ててくれた生産者に感謝するとともに、この購買が生産者の励みになればうれしい」と語った。
 朝日屋は入賞牛を含む19頭を買い受け、最多購買者となった。今回落札した「特産松阪牛」は12月11日から開催される朝日屋恒例イベント「名牛まつり」で、通常価格で販売する。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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