2025「近江牛」グランプリ枝共 まる亀こうし牧場が連覇・佐野フーズがGC牛購買

 滋賀県全域からえりすぐりの近江牛を集めた「2025近江牛グランプリ枝肉共進会」(主催:一般(社)滋賀県畜産振興協会)が19日、滋賀食肉センターで開催された。今年も、県内各地の生産者が丹精込めて肥育した選りすぐりの近江牛45頭が出品され、厳正な審査の結果、(株)まる亀こうし牧場の出品牛(雌、枝重508kg、31カ月齢、A5、BMS No.12)が昨年に引き続いて栄えあるグランドチャンピオン(GC)を獲得。枝肉競りで(有)佐野フーズがキロ当たり3,274円で購買した。
 同共進会は各団体・地域の枠を超え、県内の近江牛生産農家が一堂に会し「近江牛のブランド化推進と生産意欲向上」を目的に2013年に「オールしが近江牛枝共」として第1回を開催。以降、県内各地の近江牛生産農家が日頃の牛作りの成果を披露すべく、丹念に仕上げられた上質な枝肉が出品される、近江牛最大の大型共進会として広く周知されている。
 今共進会でGC牛を生産したまる亀こうし牧場は近江八幡市で近江牛の繁殖・肥育一貫経営を営む生産農家。亀井牧場グループは約1,700頭(繁殖200頭)の近江牛を飼養する近江牛生産農家の中でも屈指の規模を誇る農場で、近年は域内に飲食店を展開するなど経営の多角化を進めている。
 昨年に引き続いて最高賞を獲得し、見事に連覇を達成した亀井頌司代表は「島根から導入した牛で、(牧場にいる時から)体型が素晴らしく、仕上がりには自信を持っていた。ただ、共励会はレベルの高い枝肉が集まるので、運の要素も大きい。連覇は非常に名誉なことで、ありがたいしうれしい」と受賞の喜びを語った。
 また、表彰式後の枝肉競りでは昨年に続いて近江八幡市の食肉卸佐野フーズがGC牛を3,274円で落札。同社の佐野隆三社長は「(亀井社長がyoutubeに投稿した)動画で生体をみていた時から、モモの張りと盛り上がりがすごいと思っていた。素晴らしい枝肉」だと評価。枝肉競りでは、厳しい環境が続く生産者を盛り立てようと、惜しくもGC牛や入賞に漏れた出品牛も、入賞牛と遜色ない値段で購買されるなど活発な競りが実施された。また、全体的に雌牛への人気が集中し、上質な雌牛は入賞牛以上の価格で購買される場面も散見された。昨今、黒毛和牛5等級の枝肉が急速に増加する中、差別化戦略として外食などでも「和牛雌牛へのこだわり」をコンセプトに掲げる店舗が増加傾向にあり、そうしたトレンドを感じさせる結果となった。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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