ちくさんフードフェア2025、多数来場し福島牛焼き肉など楽しむ

 「ちくさんフードフェア2025」と「ジャパンミートピア2025inかながわ」が11〜12日の2日間、神奈川県川崎市東扇島の日本食肉流通センターをメイン会場として開催された。同フェアは新型コロナやセンターの工事などにより中止していたが昨年から再開。初日はあいにくの雨模様となったが、会場には家族連れなど多くの来場者が訪れた。懸念されていた交通渋滞については、入場ルートを設定し、警備員を46人増員するとともに、マリエン内に警備本部を設置。同時開催の川崎みなと祭りと連携し指揮を徹底するなど、体制を強化した。
 初日には同センターG棟で開会式が開かれ、主催者を代表してセンターの川合靖洋理事長があいさつ。「和牛去勢A5率は2000年代初頭には13%ぐらいだったが、改良が進み、去年は7割近くとなった。しかし、A5の肉は思うほど売れず、子牛価格は50万円前後と心配される状況だったが、昨年、農水省の令和6年度補正予算で170億円もの牛肉需要拡大予算が措置された。それが効果を発揮し、枝肉価格は去年より上がり、子牛価格も70万円近くにまで上がってきた。大変良い状況になりつつあるが、畜産関係者が心配していたのがトランプ関税。現在の関税にどんと上乗せされるとの話があったが、農水省の懸命な交渉により引き続き26・4%のままとなった。関係各位の努力に感謝申し上げる。米国という重要な販路も維持され、あとは国内の需要拡大。今回はいまだ風評に苦しむ福島牛を取り上げ、その肉100kgを提供する。また、ミートピアin神奈川では全肉連が200kgの各地の和牛を、神奈川県肉連では80kgの県産の銘柄牛・豚肉を提供し、合計380kgの肉を2日間で試食提供する。加えて、出展者が格安で良い肉を販売している。今回のイベントが食肉のさらなる需要拡大に貢献することを願う」と述べた。
 続いて、日本食肉流通センター卸売事業協同組合・同川崎冷蔵事業協同組合の三留晃理事長が「今回は36社・団体が出展、福島牛をはじめえりすぐった各銘柄が販売されている。諸物価が値上がりし、お米も高い中、和牛需要は低迷している。消費拡大にご協力いただきたい」と乾杯の音頭を取り、懇親に入った。
 来賓を代表し農水省畜産局の長井俊彦局長が「畜産関係者は団結力が強い。食肉を取り巻く状況は理事長が話した通りであり、大事なのは売れること。需要拡大予算はあるが、今後も補正を含め、結集している皆さんの力をいただき頑張っていきたい」と祝辞。来賓紹介に続き、イベントの目玉である焼き肉の産地、福島県農林水産部の沖野浩之部長が、「会場では福島牛の焼き肉に長い行列ができているのをみた。大変うれしい。東日本大震災から14年と7カ月が経過。復興が進む中、残念ながら風評が残っている。厳しい中でも生産者は愛情と情熱“ふくしまプライド”により高品質な牛肉の生産に努力を重ねている」と謝辞を述べるとともに、昨年12月に開発された、酒どころ福島の酒かすを給餌し育てた新しい銘柄牛「福粕花」(ふくはっか)を紹介した。その後、中締めを川崎市食肉商業協同組合の上野好一理事長が行い、散会となった。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次