
「第9回和牛甲子園」(主催=JA全農)が15日、品川グランドホールで開幕した。和牛甲子園は、和牛を飼育する全国の農業高校の生徒、高校球児ならぬ“高校牛児”たちが育てた和牛の肉質と、飼育に関する日頃の取組内容を競う大会。(1)将来の担い手候補である高校の就農意欲の向上(2)日本各地で同じ志をもつ高校同士のネットワークを創出し、意欲と技術の向上を図る—–ことを目的に開催される同大会は、今回9回目を迎え、参加校25道府県43校、出品牛65頭と、過去最多となっている。大会は2日間にわたり催され、初日の15日には、開会式や取組評価部門の結果発表などが行われ、広島県立西条農業高等学校(下写真)が取組部門の最優秀賞に輝いた。
開会式では、主催者を代表しJA全農の由井琢也常務理事があいさつを務め、「今年、和牛甲子園は第9回を迎える。今回は、25道府県から43校に参加いただき65頭出品いただいており、過去最高の数字となった。さらに、神奈川、鹿児島、熊本からは、3校が初参加となっている。和牛甲子園の和が広がっており、まさに学校関係者や高校牛児の皆さま、地域の支援があってのたまものだと思っている。和牛甲子園では、取組評価部門、枝肉評価部門2本の柱で審査が行われる。日頃の飼育の創意工夫、その結実としての肉質を公正かつ厳正に評価する大会だ。そのほか、学びとつながりを生むプログラムを2日間にわたって用意している」とし、「畜産の生産現場は非常に厳しい状況にあるといえる。自然災害あるいは、夏場の高温問題、飼料や生産資材の高止まり、一方で家畜疾病の脅威など、地域の生産に携わっている方の負担は決して少なくない。そのような中、高校牛児の皆さまには、試行錯誤を繰り返しながら牛を育ててきたことに心から敬意を表する。逆風は成長の大きな機会だと捉えることができる。本大会を通し、歩んできた歩みを確かな自信とさらなる挑戦への足がかりにしてほしい」と期待感を示した。
続いて、取組評価部門の入賞校による発表ならびに講評が行われ、最優秀賞に西条農業高校の「広島和牛で繋ぐ地域WA!〜一丸となって目指せ最高峰〜」が選出された。西条高校では、かき殻石灰の敷料利用や赤ぬかペレットの給餌における実験結果などを発表。
審査員からは、「7分の発表の中で、情報量や話す速度、資料のまとめ方が非常に工夫されていて素晴らしかった。一つのブランドの確立を目指して、地域として仲間と協調して取り組んでいく勢いを感じた」と讃えられた。
最優秀賞受賞校の生徒らは「スライドショーでは、文字を減らして、目で見て分かりやすくするように心がけた。グラフをみてもらうことが大事だと思ったので、興味がそそられるように色使いなどには気をつけた。今回、新規挑戦としてとぎ汁の活用を始めたが、時期的に結果を残せなかったので、来年の和牛甲子園で発表できるよう、後輩にしっかりと引き継いでいきたい」と次回に向け意気込みを語った。
【優秀賞】栃木県立矢板高等学校(題名=このまちのグランドデザインを描く〜ビーフダイバーシティ×避難放牧×炭素貯留〜)◇岐阜県立加茂農林高等学校(和牛甲子園編 第9章 飛騨牛再来〜ブランド力向上をかけた私たちの戦い〜)
【優良賞】岐阜県立飛騨高山高等学校(飛騨で創る新たな飛騨牛)◇宮崎県立高鍋農業高等学校(地域に根ざす高農牛の道〜未来畜産への第一歩)◇鹿児島県立市来農芸高等学校(窮地からの脱出〜和牛王国、若人たちの挑戦〜)
【高校牛児特別賞】広島県立西条高等学校(広島和牛で繋ぐ地域WA!〜一丸となって目指せ最高峰〜)【審査委員特別賞】岐阜県立大垣養老高等学校(先行交配種雄牛を活用した玲桜と6代祖岐阜県種雄牛の友都雲での挑戦!!)