全肉連HACCP普及で「手洗いマニュアル」、新型コロナ対策にも




 全国食肉事業協同組合連合会(河原光雄会長)は、HACCP「見える化」のためのツールとして「手洗いマニュアル」「服装・身だしなみマニュアル」「衛生管理はABCDEで!」の3種類のプラスチックボード(A3サイズ)を作成し配布した。とくに「手洗いマニュアル」は、残存ウイルスが10万分の1程度に除去されることや、2度洗いの推奨など手洗いの数値的効果にも言及。近年、食品衛生上問題とされているノロウイルス対策はもとより、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、注目される普及資材となっている。
 全肉連は、全国食肉業務用卸協同組合連合会、首都圏食肉卸売業者協同組合と共同実施する「食肉流通HACCPシステム普及推進事業(JRA助成)」でこれまでも、初年度(平成29年度)にはHACCPを分かりやすく解説したパンフレット「HACCPって なあに?」を作成。30年度に普段行っている5S(整理・整頓・清掃・清潔・習慣)、施設の衛生管理、手洗い、健康管理など一般衛生管理のチェックポイントを日々確認し「見える化」できるチェックボード「HACCP憲章9ヶ条」を配布した。今年度は食肉販売業と小規模な食肉処理業向けの「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」が完成。手引書は、食肉小売店などの作業現場に持ち込んでも水気や油汚れも拭き取れる上質な紙で作成し、昨年7月に配布したところ。さらに今回、こうした「見える化」の一環として、新たに3種のマニュアルボード(HACCP普及資材)を作成したもの。
 「手洗いマニュアル」では、効果的な手洗いの手順を紹介。手洗いの時間・回数による効果も示し、「手洗いなし」で約100万個ある残存ウイルスが、「流水で15秒手洗い」で約1万個、「洗剤で60秒もみ洗い後、流水で15秒すすぎ」で約10個に減少し、さらに「『洗剤で10秒もみ洗い後、流水で15秒すすぎ』を2回繰り返す」と数個まで減り、2度洗いが一層効果的であることを明示している。「服装・身だしなみマニュアル」は毛髪の混入など食品のクレーム要因対策の留意点をビジュアル的に提示。また「衛生管理はABCDEで!」のポスターでは、大きな事故の陰に小さな事故や多くのヒヤリ・ハットがある「ハインリッヒの法則」を念頭に、当たり前のことを当たり前とせず、CHECK(=確認・記録)する意味を込めて作成し、HACCPの基本でもある「日々の確認・記録」の重要性を訴える内容となっている。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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