
(株)十文字チキンカンパニー(岩手県二戸市、十文字保雄社長)の四国エリアへの拠点となる新会社「株式会社十文字チキン四国」の設立のお披露目会が15日、徳島県美馬市の「清月屋敷」で開催された。今回のイベントは、同社が徳島県を拠点とする大手食鳥生産加工企業「貞光食糧工業」の食鳥事業を7月1日付で譲り受けてから初の対外イベントとなる。会場には多くの業界関係者や取引先が集まり、新会社の事業方針や今後の展望が示された。
会の冒頭、十文字社長が登壇し、前身である貞光食糧工業の辻貴博社長とは35年来の親交があり、かつて東日本大震災の折には徳島から岩手へ救援物資のトラックを送ってもらったという深い恩義の歴史を明かした。また、今回の事業承継について十文字社長は「後継者不足に悩む辻社長から、同じ同族経営である当社に引き取ってほしいと相談を受けた。大切な地元の産業を守るためにも喜んで引き受けた」と経緯を説明。1日の事業譲渡から2週間が経過した現在、業務は極めてスムーズに移行していると報告し、関係各所への感謝を述べた。
続く事業紹介では、生産部と営業部の担当役員が登壇し、十文字チキンカンパニーの強みと新会社の方向性を具体的に提示した。
また、発表会後の取材会見において、十文字社長は、貞光食糧工業の看板ブランドであり、日本一の出荷量を誇る地鶏「阿波尾鶏」の今後の生産について「岩手からこちら(徳島)に入り、知事をはじめ多くの関係者や地元の方々と対話を重ねる中で、皆さんがいかに『阿波尾鶏の未来』に強い関心と期待を寄せているかを肌で感じた。地元にとってかけがえのないブランドであり、この地を支える大黒柱。大小を問わず、農場と生産体制を維持・存続していく」と語った。また、地鶏特有の生産性の低さや、現在やや過剰気味となっている在庫調整という課題に対しては、すでに四つあった処理工場のうち1施設をニチレイへ売却するなど、抜本的な構造改革に着手している。今後は処理・加工工程の集約や合理化を進め「利益を出せる体質」へと強靭化を図っていく意向を示した。