飛騨ミートコンソーシアムで植村氏が講演、和牛のプロモ振り返る




 飛騨ミート農業協同組合コンソーシアムの令和4年度総会が13日、JA飛騨ミート「飛騨牛会館」で開催され、日本畜産物輸出促進協議会の植村光一郎理事(写真)を講師に招いて記念講演が行われた。
 植村氏は欧米、北欧、アジア地域で行ったプロモーション活動を例にとりながら輸出戦略や和牛の価格構成がグローバルな需給関係で形成されていることを説明。最初に行われたシンガポールのプロモーションでは豪州産「WAGYU」が一般的で、日本産との違いに興味をもってもらえず苦戦したことを紹介。さらにニューヨークでは、参加者から「芸術的で、メルティー(とろける感覚)ですばらしい香り」という言葉をもらい、赤身し好の牛肉大国で支持を受けられたことで「和牛は世界の大きな需要に支えられると確信した瞬間だった」と回想。また、ロンドンでは「とうとう本物の和牛が入ってきた」と歓迎され、「ブランドが支持される地域で本物と認識されたことも大きな確信になった」とした。さらにパリでは世界最高峰の精肉店として名高い「イブ・マリ・ル・ブルドネック」で和牛が展示販売されているのを確認し、「料理の情報発信基地で認知されていることにも和牛の将来性を感じた」と述べた。
 一方、北欧では、和牛はオレイン酸含有量が多く、畜肉の中では健康的だと話したところ、「オメガ3はどうか」ときかれて返答に困ったエピソードを紹介。あとで調べると、青魚に多い「オメガ3」は、植物プランクトン由来で牧草を多給された牛肉には、一般的な牛肉より多く含まれることを知ったことを明かした。そしてスペインでは牧草多給の「WAGYU」が実際に販売されていたが、脂が黄色く霜降りも少なく、「日本産和牛は芸術的」だと称賛を受けた。また、アジアでは価格志向が強いため、43部位まで細分割して部位ごとの特性や肉質の特徴を示し、付加価値を高めた商品紹介を行った。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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